先日、とあるギターリストとの会話の中で、面白い話を聞く事ができた。 「ギターの音はやっぱり木材やピックアップが重要、だから俺は、弦とかピックにはあまり気を使ってないんだよ...」、「弦なんか安いの使ってるし、ピックは持った感じがしっくりくる形のを使ってる...」 はたしてそうであろうか?確かに、音を左右する上では、木材、ピックアップ、塗装(厚いか薄いか)は重要である。まして木材もカナダ製、アメリカ製、アジア製...、工場の場所、たとえば日本の様に湿気が多い国、アメリカの様に少ない国等様々な条件で「音」は左右される。無論、湿気が少なければ少ない程、音には良いと判断出来るが...。はたしてそれだけの理由で「音」は良くなるのであろうか?もし、それだけで良いと言う事であれば、なぜ、弦の種類、ピックの種類がこれほどまでに存在しているのであろうか?ステンレス、ニッケル、フォスファー等、様々な弦が出ている。弦で言えば、パッケージを取り出した際にカールコードの様に型が付いてしまっている様な弦は、オクターブが合わない原因になり、弦が直線の状態でない為、音もバラバラになってしまう事も多々あるのである。材で言えばなおさらだろう。ピックでも今日、ポリアセタール、カーボネイト、ビニール/ナイロン、べっ甲、ウルテム、セルロイド等、様々な種類が出ている。これは何らかしら「音」に影響するからなのではないだろうか。ポリカーボネイト、ビニール/ナイロンのピックは、アタック感が強く、磨耗に強い、ウルテムは、耐熱性、強度、ポリアセタールは、環境変化に強い等と様々である。FENDERでは、セルロイド(クラッシック、プレミアム)ピックを発表しているが(一種類、デルリンピックもあるが)、これには「音」と「理由」があるのである。まず、セルロイドであるが、これは合成樹脂の名前であり、歴史上もっとも古い熱可塑性樹脂である。ピンポン玉、人形製品等を想像して頂ければ、想像がつくのではないだろうか。極めて燃え易く、耐久性がないので、現在はあまり使われていない。1800年代の末には写真のフイルムとしても使用されていた(イートマン・コダック社の前身だったりもする)。セルロイドは、繊維系プラスティックのルーツであり、ほかの繊維系プラスティックにくらべ自然なテイストと暖かみのある色柄が特長であり、最も古いピック素材である。なぜFENDERは今日もセルロイドにこだわっているのであろうか、FENDER GUITARと言えば、TONEが魅力である事は言うまでもない、そう、そのTONEを最大限に活かす為に、セルロイド・ピック(材)を発表当時から未だに製造しているのである。これを読んで疑問な方もいるであろうが、お持ちのギターのフロント・ポジション、またはハーフ・トーンのポジションで弾き比べて頂ければ、あきらかにその「音」の違いがわかって頂けるであろう。「ピックでこんなにも音が変わるのか」と。 現在発売されているFENDER Premium Celluloid Pickの典型的な大理石模様は、セルロイドの製造における色素の配量(赤、緑、青等)によるものであり、 FENDER Classic Celluloid Pickは、FENDER U.S.A.社が発表した当時と製造方法、仕様が変わらず今日も発表されている。そして2005年、FENDER Classic Celluloid Pickが発表されてから50周年を迎える。それは、50年もの間、変わらず、暖かく、甘いTONEをFENDERは変えず世界中のギターリスト達にギターだけではなく、ピックでも提供していると言う事でもある。 最後に、前に述べたギターリストがClassic Celluloid Pickを持って帰った事は言うまでもない。最高なTONEは、PICKでも影響するのである。 *Classic CelluloidとPremium Celluloidでも音「Tone」の違いが出る事を付け加えておこう。