あれから1年8ヵ月...。
その存在は、変わる事のない色を放ち、堂々とステージへ...。
そして変わる事のない思いが包み込んだ。
「私の全てだったものを失い、それを受入れる時間、自分を取戻す時間、どうして良いか分からない自分、無の刻...」
「私を必要としてくれる人はもう誰もいないのでは...」
「もう私は、歌えないのでは...」
彼女は怯えていた。
再び、愛機であるGuildを握った瞬間、奏でた瞬間、声を出した瞬間、仲間に支えられた瞬間、仲間と奏でた瞬間...。無の楽しさ喜びが、再びステージへ立つ決心をさせたと言う。
*同所属事務所のZAQ、ギター担当、南と日々セッションをしていた。
彼女には「歌」が必要で、彼女の奏でるギターがどれだけ我々を「勇気付ける」ことか...、それは、どんなに年月が経とうとも決して忘れる事はできない。そう私は思っていたし、その「気持ち」を信じていた。
今回のステージを観て、その「気持ちは」間違いではなかったと...。
そう、彼女はいま、私の前で堂々とステージに立っている。その存在感、歌声...「彼女の場所」は、やはりステージ、そう、ここなんだ。
BON'Z(事務所の後輩バンド)の演奏が始まる。この不協和音...「secret base〜君がくれたもの〜」、会場の誰もが息を飲んだ事だろう。涙した事だろう。彼女が放つオーラ、曲が持つオーラ、何一つ色褪せていない。素晴らしい...。この曲をこうしてまた聴ける。なんて幸せなんだ。
彼女がまた歌を歌うと言う事、ギターを弾くと言う事、その意味。
続いて登場したMARIA、舞衣子のMC
「また、こうして彼女と同じステージに立てる事がとても嬉しいです。ねえ、聞こえてる。聞こえてるかな、Miyu」
空来(ソラ)を見上げる様に舞衣子が、バックステージにいるMiyuに囁く。
そんな熱く、優しい舞衣子のコメントに胸が震えた。
終演後、彼女達の目は、力強い輝きを放していた。
それは、いつか見た、あの輝きだった。
その夜、降り出した大きな白い花は、力強く大地を染めていった。

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